目的によって選択される一般的な衣服材料としては天然繊維と化学繊維があるが、最近では繊維を混用することによって、新しい性能を備えた材料が多くなっている。
たとえば、ポリエステルと綿や毛との混用では、外観や手ざわりがよくなり、耐久性も増して、洗濯はしやすくなるという効果がある。
またアクリルと毛では保温性が増すとともに、プリーツ加工が可能となる。
学生服や作業衣にナイロンやビニロンが混用されるのも、耐久性の効果が著しいからである。
混用品の性能は、混用した繊維の性能の数値を加減したものとは、かならずしも一致しない。
織り組織や糸の太さなどに影響されるからである。
西洋服という語が明治初期に普及し、これを略して洋服と称した。
日本人が初めて西洋様式の衣服を目にしたのは16世紀の南蛮服であるが、その影響は単に個々の服装品のうえに残されたにすぎず、実際の生活に西洋服そのものが取り入れられたのは明治以後のことである。
近代国家の体制を早急に整えるために、まず西欧の衣服を採用する方針がとられ、明治政府はそれを制度化することで推進していった。
以来100年余りをかけて、日本人の衣生活は洋装化の歴史をたどるが、和服が後退していった背景には、文化や生活様式や社会の大きな変化があったことはいうまでもない。
通商条約が締結された幕末の開港地は、外国の商館が建ち並び、異国人たちの生活や服装を目の当たりに観察することができた。
そのようすは橋本玉蘭斎編『横浜開港見聞誌』に詳しく、また1868年に刊行された『西洋衣食住』では、西洋服が細部に至るまで図解された。